結論|在庫管理がなくなるのではなく、管理するものが変わります

高齢者施設の食事提供では、毎日の献立に合わせた食材の発注や在庫管理が欠かせません。

しかし、限られた人員で調理から配膳までを担当する施設にとって、こうした業務は決して小さな負担ではありません。

セントラルフーズグループの「King & Queen」では、セントラルキッチンで調理した食事を、完全調理済みの真空パックでお届けする配食サポートを行っています。

この仕組みを導入すると、施設側での食材の仕入れや下処理、調理に関わる業務を減らすことができます。

ただし、在庫管理そのものが不要になるわけではありません。

大切なのは、食材を管理する仕事から、必要な食事を必要な人数に合わせて管理する仕事へと変わることです。

従来の施設調理では、どのような管理が必要なのでしょうか?

施設内で一から調理する場合、献立に合わせてさまざまな食材を仕入れる必要があります。

例えば、肉や魚、野菜、豆腐、調味料などです。

それぞれの食材について、発注数量、納品日、保存方法、使用期限を確認しなければなりません。

さらに、食材の下処理や調理の過程では、廃棄部分や使い切れなかった食材が発生することもあります。

特に高齢者施設では、入居者の入退院や体調の変化などによって、必要な食数が変動する場合があります。

こうした変化に対応しながら、食材を過不足なく管理することは、現場の経験と判断が求められる仕事です。

完全調理済み真空パックでは、何が変わるのか?

King & Queenでは、セントラルキッチンで調理を済ませた食事を施設へお届けします。

そのため、施設側で個々の料理に必要な食材をすべて仕入れ、一から調理する必要がなくなります。

例えば、煮物を提供する場合。

従来であれば、野菜や肉などを発注し、洗浄、切裁、加熱、味付けといった工程が必要です。

完全調理済みの商品であれば、施設では商品ごとに定められた方法で再加熱し、盛り付けて提供することが基本になります。

これにより、施設側の調理工程や食材管理の負担軽減が期待できます。

一方で、新たに重要になるのが、納品された商品の数量や期限、保存状態を正しく管理することです。

調理を外部に任せることと、施設側の管理責任がなくなることは別なのです。

実際の現場では、食数の変更にどう対応するかが重要です

例えば、30名の入居者がいる施設を考えてみましょう。

普通食が20食、刻み食が6食、ミキサー食が4食必要だったとします。

ところが、入居者の入院や食事形態の変更によって、翌日の必要数が変わることがあります。

この場合、単に合計30食を確保すればよいわけではありません。

誰に、どの食事形態を、何食提供するのか。

その情報を正確に把握し、発注数量や在庫に反映する必要があります。

特に刻み食やミキサー食などは、入居者の咀嚼・嚥下機能や個別の食事計画に関わります。

在庫が不足したからといって、別の食事形態の商品で安易に代用することはできません。

このように、完全調理済みの食事を導入しても、施設と配食事業者との情報共有は欠かせません。

なお、食数変更をいつまで受け付けられるか、追加発注にどう対応するかは、契約内容や配送体制によって異なります。導入前に確認しておきたいポイントです。

在庫管理で確認しておきたいこと

完全調理済み真空パックを利用する施設では、次のような管理が重要になります。

  • 納品時の確認: 商品名、数量、期限、包装の状態、指定された温度条件を確認する。
  • 保管方法: 商品ごとの表示に従い、適切な温度で保管する。
  • 使用する順番: 期限を確認し、適切な順番で使用する。
  • 食数との照合: 入居者数や食事形態の変更を在庫数量に反映する。
  • 提供時の確認: 再加熱方法や提供までの時間管理を守り、入居者ごとの食事内容と照合する。

こうした管理は、特別に難しいことばかりではありません。

しかし、担当者によって確認方法が異なったり、情報共有が不十分だったりすると、誤配膳や在庫の過不足につながるおそれがあります。

だからこそ、誰が担当しても分かる管理方法を整えることが大切です。

食事提供の効率化で、本当に生み出したいもの

私たちは、完全調理済みの食事を導入する目的は、単に厨房の仕事を減らすことだけではないと考えています。

例えば、食材の発注や下処理に費やしていた時間を減らすことができれば、その時間を別の業務に活かせる可能性があります。

盛り付けを丁寧に行うこと。

入居者一人ひとりの食事の様子を確認すること。

食べ残しや食欲の変化について、介護職員や管理栄養士などと情報を共有すること。

高齢者施設の食事には、調理すること以外にも大切な仕事がたくさんあります。

特に、食欲や食べる力に個人差のある高齢者にとって、食事の時間は栄養補給だけでなく、毎日の楽しみでもあります。

厨房業務を効率化することで、入居者の食事に向き合う時間を生み出す。

そこに、セントラルキッチンを活用する大きな価値があると考えています。

King & Queenが考える施設給食のこれから

セントラルフーズグループのKing & Queenでは、管理栄養士が監修する献立をもとに、国産中心の食材を使用した食事づくりを大切にしています。

普通食だけでなく、刻み食やミキサー食など、入居者の状態に応じた食事形態にも対応しています。

私たちが目指しているのは、施設の厨房業務をすべてなくすことではありません。

施設で行うべき仕事と、セントラルキッチンで担える仕事を整理し、それぞれの役割を明確にすることです。

調理や食材管理の負担を減らしながら、施設では入居者に合わせた食事提供に集中できる環境をつくる。

そして、人手不足の中でも、安全でおいしい食事を安定して届け続ける。

食事提供の効率化とは、単なる省力化ではなく、施設が本来大切にしたい仕事に時間と人の力を活かすこと。

King & Queenは、これからも高齢者施設の現場に寄り添いながら、食事の品質と運営のしやすさを両立する仕組みづくりを大切にしていきます。