結論|同じ食材でも、出汁の取り方によって料理のおいしさは変わります

こども園・幼稚園・保育園の給食では、毎日たくさんの料理をつくります。

その中で、私たちセントラルフーズグループが特に大切にしているものの一つが「出汁」です。

自然派給食では、化学調味料に頼らず、食材本来の旨味を活かした調理を基本としています。

そのため、出汁は単に料理の味を整えるものではなく、おいしさの土台をつくる重要な調理工程だと考えています。

そして、出汁のおいしさを決めるのは、使用する食材だけではありません。

同じ昆布やかつお節を使用しても、その取り方によって味わいが変わることがあります。

今回は、実際の給食現場から寄せられた調理改善の事例をご紹介します。

他の給食現場の工夫を取り入れてみた結果

セントラルフーズグループでは、各給食現場で生まれた工夫や改善事例を共有しています。

その一つが、社内の学習・情報共有の仕組みである「グロースカレッジ」です。

ある給食現場では、グロースカレッジに紹介されていた、別の現場でおいしいと評価された昆布とかつおの出汁の取り方を参考に、従来の方法を変更しました。

すると、調理スタッフから次のような報告がありました。

「出汁の味がしっかりとしていて、いつもより追加する調味料が少なくて済んだ」

これは、実際に調理した現場から寄せられた声です。

使用する出汁の取り方を見直したことで、料理の味の仕上がりに違いを感じたという事例です。

もちろん、一度の調理結果だけで、すべての料理に同じ効果があるとはいえません。

しかし、私たちはこの報告に、給食づくりの大切なヒントがあると感じています。

なぜ、出汁の取り方が大切なのでしょうか?

昆布にはグルタミン酸、かつお節にはイノシン酸という旨味成分が含まれています。

これらを組み合わせることで、旨味をより強く感じられる相乗効果が期待できます。

ただし、食材を鍋に入れれば、必ずおいしい出汁になるわけではありません。

水の量、加熱温度、加熱時間、食材を取り出すタイミングなどによって、旨味や香りの出方は変わります。

また、必要以上に加熱することで、料理によっては望ましくない雑味が出る場合もあります。

つまり、出汁を取ることは、単なる下準備ではありません。

素材の特徴を理解し、旨味を引き出すための調理技術なのです。

今回の現場事例でも、出汁の取り方を変えたことで、調味料を追加する前の段階から、味の違いを感じられたことが重要だと考えています。

調味料を減らすことが目的ではありません

今回の報告では、いつもより追加する調味料が少なくて済んだという結果がありました。

しかし、私たちは調味料を減らすこと自体を目的にはしていません。

大切なのは、子どもたちがおいしく食べられる料理に仕上げることです。

例えば、出汁の旨味が十分に感じられれば、調味料を追加しなくても味がまとまる場合があります。

反対に、出汁が十分に取れていなければ、調味料を加えて味を補おうとすることも考えられます。

だからこそ、調味料を加える前の段階で、どれだけ料理のおいしさを引き出せるかが重要になります。

なお、調味料の使用量が減ったからといって、必ずしも料理全体の食塩相当量が減ったとは限りません。

栄養管理は献立全体で行いながら、出汁のおいしさを活かすことが大切です。

一つの現場の工夫を、会社全体の技術に変えていく

今回の事例で、私たちがもう一つ大切だと感じていることがあります。

それは、ある現場で生まれた良い工夫を、別の現場でも活かせることです。

給食の仕事には、経験によって培われる技術がたくさんあります。

例えば、野菜の切り方や加熱の仕方。

食材の旨味を逃さない調理方法。

そして、出汁の取り方。

こうした技術は、同じ会社の中でも、現場や調理スタッフによって違いが生まれることがあります。

セントラルフーズグループでは、それぞれの現場で生まれた良い取り組みを共有し、互いに学び合うことを大切にしています。

ただし、良いと評価された方法を、そのまま全施設に当てはめればよいわけではありません。

使用する設備や調理量、献立によって、適切な方法は変わります。

実際に試し、仕上がりを確認し、自分たちの現場に合った方法へと改善していく。

そうした積み重ねが、会社全体の調理技術を高めることにつながると考えています。

自然派給食では、食材をできるだけ丸ごと活かすことも大切にしています

出汁へのこだわりは、旨味を引き出すことだけではありません。

セントラルフーズグループでは、いりこを粉砕した「炒り粉」を、さまざまな料理に活用しています。

また、出汁を取った後の昆布をミキサーにかけ、味噌汁に加える工夫も行っています。

出汁を取って終わりにするのではなく、食材をできるだけ無駄なく活かす。

こうした取り組みも、自然派給食の考え方の一つです。

私たちは、食材を選ぶことと同じくらい、選んだ食材をどう活かすかを大切にしています。

私たちが目指すのは、日々進化する給食づくり

セントラルフーズグループの自然派給食では、国産食材を基本に、玄米菜食の考え方を取り入れ、素材の旨味を活かした調理を行っています。

しかし、良い食材を使っているから、それだけでおいしい給食になるとは考えていません。

その食材をどのように扱い、どのように調理するのか。

そして、昨日より今日、今日より明日、もっとおいしくするために何ができるのか。

私たちは、そんな日々の工夫を大切にしています。

今回の昆布とかつおの出汁の事例も、その一つです。

特別な食材を新しく導入したわけではありません。

普段行っている調理工程を見直したことで、おいしさに違いが生まれました。

給食の品質を高めるヒントは、毎日の何気ない調理の中にもある。

そして、その気づきを一つの現場だけで終わらせず、仲間と共有し、次の改善につなげていく。

セントラルフーズグループは、これからも現場で生まれる知恵と技術を大切にしながら、こども園・幼稚園・保育園の子どもたちに、よりおいしい自然派給食を届けていきたいと考えています。