結論|完食だけを目標にするのではなく、食べられるようになる過程を大切にしたい
こども園・幼稚園・保育園の給食では、「子どもたちに残さず食べてほしい」という思いがあります。
もちろん、私たち給食会社にとっても、つくった料理をおいしく食べてもらえることは大きな喜びです。
しかし、セントラルフーズグループの自然派給食では、完食という結果だけで、給食の良し悪しを判断するべきではないと考えています。
昨日まで食べられなかった野菜を、今日は一口食べられた。
苦手だった料理に、自分から興味を持つようになった。
そうした小さな変化も、子どもたちにとっては大切な成長です。
なぜ、子どもによって食べられるものが違うのか?
子どもたちには、それぞれ食べ物の好みがあります。
同じ料理でも、おいしいと感じる子もいれば、苦手に感じる子もいます。
その理由は、必ずしも味だけではありません。
例えば、野菜の繊維が口に残ることが苦手な子もいれば、見慣れない料理に抵抗を感じる子もいます。
また、同じ食材でも、切り方や加熱方法によって食感は変わります。
つまり、「食べない=おいしくない」とは限らないのです。
給食会社として大切なのは、食べ残しという結果だけを見るのではなく、なぜ食べられなかったのかを考えることだと思います。
実際の給食づくりでは、調理方法にも工夫が必要です
例えば、にんじんが苦手な子どもがいたとします。
その子は、にんじんの味が嫌いなのでしょうか。
それとも、硬さや大きさ、食感が苦手なのでしょうか。
もし食感が原因であれば、切り方や加熱方法を工夫することで、食べやすくなる可能性があります。
セントラルフーズグループの自然派給食では、素材の旨味をできるだけ逃さない調理を大切にしています。
その一つが「蒸す」という調理方法です。
野菜の持つ甘味や旨味を活かしながら、食べやすい状態に仕上げる。
調味料で味を変える前に、食材そのもののおいしさをどう引き出すか。
ここに、給食会社としての調理技術が求められると考えています。
もちろん、食材の大きさや硬さは、子どもの年齢や発達段階に応じた安全性への配慮が前提です。
残食が減ったことと、食育が進んだことは同じではありません
給食の評価では、残食量が一つの指標になります。
残食が少ないことは、献立や調理方法を評価するうえで参考になります。
しかし、残食量だけでは分からないこともあります。
例えば、苦手な食材を避けて食べた結果、ほかの料理を完食した場合。
反対に、苦手な野菜を一口食べてみたものの、料理全体としては残してしまった場合。
数字だけを見れば、前者の方が良い結果に見えるかもしれません。
しかし、食育という視点では、後者にも大きな意味があります。
だからこそ、園の先生方との情報共有が重要になります。
どれだけ残ったのかだけでなく、子どもたちがどのように食べていたのか。
その情報が、次の献立や調理方法を考えるヒントになります。
「食べさせること」と「食べたくなること」は違います
子どもたちに栄養のあるものを食べてほしい。
これは、園も保護者も給食会社も共通して持っている願いだと思います。
ただし、苦手なものを無理に食べさせることが、必ずしも良い食育につながるわけではありません。
大切なのは、子ども自身が食べ物に興味を持ち、「食べてみようかな」と思えることです。
例えば、普段は食べない野菜でも、友達がおいしそうに食べている姿を見て興味を持つことがあります。
給食の時間には、家庭での食事とは違った経験が生まれます。
私たちは、そうした集団生活ならではの食体験も大切にしたいと考えています。
私たちが目指すのは「完食させる給食」ではなく「食べたくなる給食」
セントラルフーズグループの自然派給食では、国産食材を基本に、玄米菜食の考え方や素材の旨味を活かした調理を大切にしています。
しかし、どれだけ食材にこだわっても、子どもたちが食べたいと思えなければ、その良さを十分に届けることはできません。
だからこそ、食材選びと同じくらい、調理方法やおいしさにこだわる必要があります。
そして、給食会社だけで完結するのではなく、園の先生方と子どもたちの様子を共有しながら改善していくことが重要です。
今日、全部食べられたことも素晴らしい。
昨日まで食べられなかったものを、一口食べられたことも素晴らしい。
子どもたちの成長は、完食という一つの数字だけでは測れません。
私たちは、食べることが楽しみになり、少しずつ食の世界が広がっていく。
そんな毎日の給食を、こども園・幼稚園・保育園の皆さまと一緒につくっていきたいと考えています。
