結論|自園調理への切り替えは、厨房設備よりも先に「どんな給食を届けたいか」を考えることが大切です
こども園・幼稚園・保育園で、外部搬入のお弁当給食から自園調理への切り替えを検討するケースがあります。
温かい給食を提供したい。子どもたちにもっと食事を楽しんでもらいたい。園の特色として食育を充実させたい。
その理由はさまざまです。
セントラルフーズグループでは、自園調理を始める際に最も大切なのは、厨房をつくることではなく、その厨房を使ってどんな給食を実現したいのかを明確にすることだと考えています。
自園調理にすれば、給食は良くなるのか?
自園調理には、園内で調理した食事を提供できることや、子どもたちの様子に合わせて調理・提供方法を検討しやすいという利点があります。
しかし、自園調理にすれば自動的に給食の質が高まるわけではありません。
例えば、厨房が完成しても、調理スタッフが確保できなければ運営できません。
また、設備が整っていても、献立や食材、調理方法に対する考え方がなければ、その園ならではの給食にはなりません。
自園調理は目的ではなく、より良い給食を実現するための手段なのです。
実際にあった、約70食規模の園からのご相談
セントラルフーズグループには、外部搬入のお弁当給食から自園調理への切り替えを検討されている園から、ご相談をいただくことがあります。
ある園では、1日約70食という規模で、自園調理の可能性についてお問い合わせをいただきました。
こうした比較的小規模な園では、給食を始めるために必要な設備投資と、毎日の運営費とのバランスが重要になります。
70食だから簡単というわけではありません。
食数が少なくても、食材の発注、下処理、調理、盛り付け、洗浄、衛生管理など、必要な工程は基本的に変わらないからです。
さらに、アレルギー対応が必要な園児がいる場合には、安全に対応できる調理環境や人員体制についても検討しなければなりません。
厨房を新設する前に確認したいこと
私たちが自園調理の導入を検討する際に重要だと考えるのは、設備と運営を別々に考えないことです。
例えば、厨房設備を検討する段階から、次のようなことを具体的に考えておく必要があります。
調理する食数と献立
園児数だけでなく、職員食も含めて何食を提供するのか。どのような献立を実現したいのかによって、必要な設備も変わります。
調理スタッフの配置
毎日何人で調理するのか。休暇や急な欠勤が発生した場合、誰が対応するのか。継続できる体制づくりが必要です。
衛生管理とアレルギー対応
食材の搬入から調理、配膳、洗浄まで、安全な作業動線を確保できるか。アレルギー対応についても、園と給食会社が情報を共有し、無理のない安全な運用方法を検討する必要があります。
厨房設備と運営コスト
厨房の新設費用だけでなく、人件費、食材費、水道光熱費、設備の維持管理費なども含めて考えることが大切です。
設備計画については、設計段階から管轄の保健所など関係機関への確認も欠かせません。
自園調理の価値は、給食室と子どもたちの距離にもある
私たちは、自園調理の魅力は温かい食事を提供できることだけではないと考えています。
例えば、給食室から料理の香りが漂ってくる。
調理している人の存在を身近に感じる。
先生方から子どもたちの食べる様子を聞き、次の調理に活かす。
こうした日常の積み重ねも、自園調理だからこそ生み出しやすい価値です。
セントラルフーズグループの自然派給食では、国産食材を基本に、出汁や素材の旨味を活かした調理を大切にしています。
しかし、どれだけ食材にこだわっても、子どもたちがおいしく食べられなければ意味がありません。
子どもたちの反応を知り、その声を次の給食づくりに活かしていくこと。
それも、自園調理の可能性を広げる大切な要素です。
私たちが考える、自園調理を成功させるための条件
こども園・幼稚園・保育園が自園調理を導入する際、厨房設備の専門家、園の先生方、そして給食運営の専門家が、それぞれの立場から意見を出し合うことが重要です。
特に給食会社には、厨房が完成した後の毎日を具体的に想像する力が求められます。
調理スタッフが急に休んだらどうするのか。
食数が増えたら対応できるのか。
子どもたちの食べる様子を、どのように献立改善につなげるのか。
セントラルフーズグループでは、複数の給食現場を運営する中で、近隣施設同士の応援や管理者によるサポート体制を大切にしてきました。
給食は、厨房設備だけで成り立つものではありません。人と仕組み、そして食に対する考え方があって初めて成り立つものです。
自園調理を始めることがゴールではなく、子どもたちにより良い食事を届け続けることがゴール。
私たちは、厨房づくりの段階からその先の毎日の給食まで見据え、園と一緒に考えていける給食会社でありたいと思っています。
